今回は給与計算はどのように行われているか説明いたします。
毎月に1回の給料日、とてもわくわくしますよね。この日のために働いているといっても過言ではありません。
そこで今回は現役で人事労務で働いていて給与計算を行っている自分が給与計算がどのように行われているかご紹介できればと思います。


あくまで私が勤めている会社で行っているやり方です。一つの参考としていただければと思います。
そもそも給与とは


給与計算の手順を説明する前にそもそも給与とはなんでしょうか?
給与は「賃金」や「報酬」等と呼ばれることもありますが、
給与は雇用契約に基づいて雇用主から従業員へ定期的に支払われる、労働の対価報酬。
だそうです。補足すると「労働の対価として支払われたもの」はすべて給与です。
例えば現物支給とかも給与ですね。
ちなみに会社からの結婚祝金や退職金は給与に原則として含まれません。
給与計算の手順


それでは給与計算の手順を説明していきます。
給与計算は主に6つの工程で行います。具体的には
- イレギュラー事項をリストアップ
- 勤怠の確認
- 交通費の確認
- 入退職者等の給与の日割計算
- 残業代の計算
- システムへデータ流し込み
- 給与支給
を行います。順を追って説明していきます。
イレギュラー事項をリストアップ
このイレギュラー事項のリストアップが給与計算の中で一番大事な作業です。
なぜこの作業が一番大切かというと、まず給与計算を行う上で毎月ほとんどの社員の給与は定額の支給です。
というのも固定給は昇給や昇格がない限り変わらないためです。なのでほとんどの社員は毎月給与が一緒です。(残業代など変動するもの以外)
そのため給与の変動がある方を把握する必要があります。
例えば中途入職者や退職者、引越しをして通勤費が日割になった方たちは給与の日割計算や通勤手当の日割計算が必要になってきます。
この給与の日割計算や通勤手当の日割計算自体は難しいものではないのですが、こういった対象者のリストアップが漏れると給与を定額で支給してしまうため大変なことになってしまいます。
給与を日割にしなきゃいけないのに満額で支給してしまうって大変ですよね。逆もしかりです。
なのでこのイレギュラーのリストアップをチーム全員で共有して漏れの内容に努めることが何より大切です。
勤怠の確認
社員の方々の出勤や欠勤、遅刻早退を確認する作業です。
基本的に今はどこの会社もほとんどシステムで管理していると思いますが自分の会社もシステムで管理しています。また以下のことを確認していきます。
- 出勤日数
- 欠勤日数
- 有給日数
- 特別休暇(慶弔休暇)
- 遅刻早退
- 休日出勤
基本的に上記の6つです。他の会社だと他にもあるかもしれません。
上記の数がシステム上の数字と勤怠帳簿の数と合っているかを確認していきます。勤怠帳簿とはいつ出勤していつ欠勤しているか等を記録してるものです。私が勤めている会社では勤怠帳簿もシステムで管理しています。
▼すごく簡単にまとめたのが下の図


特に注意しなければならないのが休日出勤です。
休日出勤をした場合振替休日を取ってもらうのか、休日出勤分の金額を払うのかを事前に従業員の方と決めておかないとややこしいことになるのでしっかりと従業員の方に確認を取っておく必要があります。
交通費の確認
交通費の確認もシビアに確認しておかないと間違えやすい箇所なので注意が必要です。
基本的には定期代の支給で間違いないのですが、
- 入退職者
- 引越し
- 異動
等があると交通費を日割計算しなければならないので事前にリストアップの段階で注視しておく必要があります。
計算自体はどのルートで通勤しているかの資料を押さえて、
往復分の交通費×日数
を行えばいいだけなのでそれほど難しい業務ではありません。
入退職者等の給与の日割計算
入退職等があると給与を満額で支給するのではなく日割計算を行って支給する必要があります。
また上記の交通費の日割計算と一緒でどの方が給与の日割計算の対象者かを押さえておく必要があります。
計算自体は、
給与の単価×日数
なのでこちらもそれほど難しいものではありません。
残業代の計算
従業員が残業した場合、残業代を支給するので計算する必要があります。
こちらは基本的に給与計算のシステムが自動で計算をしてくれるのですが、それを100%信頼するのではなく、自分の方でもエクセルを使って計算をしています。
なので給与計算のシステムが計算してくれたのと自分で計算したのをすり合わせをするという作業を行っています。
ちなみに余談ですが僕の友人が「うちは残業代でないから計算しなくていいから楽なんだよね~…。」ともの悲しそうに言っていました。悲しいですね。
システムへデータ流し込み
色々と給与の下準備が終わったらいよいよ!給与計算のシステムへデータを流し込んでいきます!
流し込むデータとしては
- 勤怠データ
- 交通費のデータ
- 給与の日割の計算のデータ
上記のものを流し込んでいきます。これが終われば95%は給与計算が終了しています。
流し込みが終わったら手で直さなきゃいけないものは直してしっかりと給与にデータが反映されているか確認の作業を行っていきます。
基本的にはイレギュラーがあった方のみの確認を行っていきます。
給与支給


給与計算が終われば経理の方に給与のデータをお渡しして、経理の方が振込の作業を行うと満を持して支払日に皆さんの口座に給与が振り込まれます。やったね!
冒頭でも言いましたがこの日のために働いているんですよね。給与をもらったら貯金しましょう。
番外編
給与の計算が終わり「やったー!給与計算おわりだー!」とか言ってられるのもつかの間、実は給与明細の封入作業があります。
これが本当にしんどくて例えば従業員が800人いたら800人分の給与明細を封入していくわけです。
早く電子明細とかにならないかな~。
「給与明細は紙で渡すものだ!」っていう社長さんが多いらしいです。エコでいこうぜ!「弊社は地球の環境を考えています」とか言うのであれば!!!
さいごに
いかがだったでしょうか。皆さんに給与が振り込まれる前にはこんな作業が行われているよくらいに思っていただけると幸いです。
細かい話をすると社会保険のことや住民税のことも給与計算に関与してくるのですがほとんどが説明した通りです。
実際給与計算はイレギュラーの方を押さえることができれば85%は給与計算が終わっています。残り15%は計算をする作業や明細を封入する作業です。
「簡単そうじゃん!」とか思った方、間違えていけないものではありますがほとんど上記のことを行っているので簡単です。
人事労務で給与計算をしたい!という方はぜひ一度目指してみてはいかがでしょうか。
ここまでお読みいただきありがとうございました。



